一緒に仕事しているTさん

一緒に仕事しているTさん

今働いている会社で、一緒に仕事しているTさんという方がいるのだが、このTさんって人格者(人間的に優れている人)だな、と思った・・・。
今、建物のサッシを保護する布(不織布)を折り畳んで、サッシを送っている系列の会社に返却するという仕事をしている・・・。
その不織布を折り畳んでいる時、たまにその不織布に虫がまぎれていて、虫が出てくる時があったのだが、その虫が出てきた時Tさんはこう言った・・・。

 

Tさん「彼等(虫)には、彼等の人生があるのだから、逃がしてあげなさい」と・・・。

 

私は、大人になって少し虫が苦手になってきたので、虫を見たら即座に手ではらってしまう・・・。
もしかしたら、私のそういった行動を見てTさんはそう言ったのかもしれない・・・。

 

ある日、休憩中にTさんとジュースを飲んでいたら、後からきたMさんがこう言った・・・。
「自動販売機でジュースを買ったら、つり銭の出口のところに小銭があったので、誰のだか分からないし、Tさん貰っちゃって下さい」と・・・。
そしたら、Tさんはこう答えた・・・。

 

Tさん「いや〜、そんなお金は受け取れません。自動販売機のつり銭の出口のところに戻しておいて下さい。後でつり銭を取り忘れた人が取りにくるかもしれません」と・・・。
私は、Tさんのこの言葉を聞いて、「凄いなTさん人格者だな」と思った・・・。
私だったら、Mさんにそんな事(「誰のつり銭だか分からないから、貰っちゃって下さい」)なんて言われたら、儲かったなむふっと思ってその小銭貰っていただろう・・・。

 

Tさんは、歴史が好きなので、ある日仕事をしながら歴史の話をしていた。
私は、日本史よりローマ史や中国史の方が好きなのだが、それでもそこそこ日本史も知っている・・・。
なので、Tさんと日本史の源平時代や戦国時代や坂本龍馬などの幕末の話をしたりしていた・・・。
Tさんは、江戸時代のロウソクの灯りがどれくらい明るいか、自分で作ってみたり、刀を作っている鍛冶屋に行って、日本刀が出来る過程を見学したり、かなり日本史には詳しい・・・。
日本史においては、私よりはるかに詳しい・・・。
そのTさんとある日戦国時代の話になり、こんな会話になった・・・。

 

 

私「戦国時代の武将の中では、武田信玄が好きですね」

 

Tさん「何で?」

 

私「やっぱり武田信玄って、戦争(戦術)が上手いじゃないですか・・・」

 

Tさん「でも、戦争が上手いって事は、人を殺すのが上手いって事だよね?それって、よく無い事だよね・・・?」

 

私「・・・・・・」

 

私はそのTさんに、「でも、戦争が上手いって事は、人を殺すのが上手いって事だよね?それって、よく無い事だよね?」と言われた時、何て返したらいいのか分からなかった・・・。

 

だから、Tさんは人格者だと思う。人格者というより、他者を思いやれる人だと思う・・・。

 

今の仕事も段々辛くなってきている・・・。
私が入った頃は、この不織布を一日七百枚折るのがノルマだったが、それがやがて八百枚になり、今また八百二十枚になりつつある・・・。
だから、肉体的、体力的には結構辛くなってきた・・・。
だが、仕事において真に辛いのは、その様な肉体的、体力的な疲労ではなく、怒られたり怒鳴られたりして、精神的にストレスをおってしまう事である・・・。
私が、ここぞと決めたこの会社で一生働くと決めた以前働いていたT印刷社も、部署移動され、そこの職場の人に怒鳴られたのがきっかけで辞めた・・・。
「おせーよ!!」とか、「早くやれよ!!」とか言って怒鳴られ、挙げ句の果てには蹴っ飛ばされたりした・・・。それが原因で、もうここの職場では無理だなと思って辞めた・・・。
その後のコカ・コーラでも、怒られ、怒鳴られ、仕事でミスした時には蹴っ飛ばされたり、ひっぱたかれたりした・・・。
そうして、元々仕事が好きでは無かった私の仕事嫌いは加速していった・・・。
T印刷で、怒られ怒鳴られた後は少し人間恐怖症になり、人に少し何か言われたりすると、凄くおどおどするようになった・・・。
だから、仕事において本当に怖いのは、肉体的な疲労、体力的な疲労ではなく、第三者によってもたらされる精神的な苦痛なのだな、と思った・・・。
肉体的、体力的な疲労は寝れば治る。休めば治る。

 

だが、第三者によってもたらされる精神的苦痛は、その精神的苦痛をもたらす第三者が職場からいなくなるか、はたまた自分がその職場を去るかしか無い・・・。

 

家庭環境でも、似たような事が言えるだろう・・・。

 

ケンカばかりしている夫婦は、はたまた夫にDVを受けている妻は、離婚するしか精神的苦痛を解決する手立ては無い・・・⇒離婚で養育費や親権などで揉めた場合はココ

 

つまり、精神的苦痛を与える者と別れるしか、その精神的苦痛のストレスの解決方法は無いのである・・・。
そして、仕事において、その精神的苦痛を与える第三者が職場からいなくなるなんて都合のいい事は起こらないから、結局自分がその職場を離れるといった解決方法を取らざるを得ない事になる・・・。

 

だから、仕事において本当に怖いのは、肉体的精神的な疲労ではなく、精神的に苦痛を得ることなのだな、と思った・・・。

 

しかし、このTさんにはストレスを感じた事はほとんど無い・・・。

 

たまに、「遅いぞ」とか、「早くやらないと終わらないぞ」と言われる事はある。だが怒られたり怒鳴られる事や、ましてや蹴っ飛ばされる事もひっぱたかれる事も無い・・・。

 

このTさんには、精神的苦痛や精神的ストレスを感じた事がない・・・。

 

だから、仕事のノルマが増えて一日八百二十枚不織布を折る事になって肉体的、体力的には辛くなっても、このTさんとならしばらく仕事を続きていけるかな、と思った・・・。


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