中古車情報誌

中古車情報誌を片っ端から

中古車情報誌を片っ端から

当時、普段のアシとして「我が国が誇る最強機動兵器」HONDAの4miniに乗ってはいたが、遠出したりみんなと出かけたり…そろそろクルマなんぞに手を出してもいいかな〜、という年頃になっていた。

 

この頃になるとプジョーやBbは何処へやら、もう自分はカルマンギアに乗るんだい!と言って聞かない困った青年(19)になっていた。きっと日課のようにカルマンのプラモデルを撫で回していたのが良くなかったか。

 

しかし、量産車といっても(最終年式でさえ)30年近く前のガイシャだ。
そこらの中古車屋さんを回ってみても、よほど奇跡でも無い限り出会うことなんて無い。

 

中古車情報誌を片っ端から読み漁る。

 

ネットの出玉(主にオークション)をシラミ潰しにチェックする。

 

そんな努力?をしながら、カルマンギアがどんなクルマなのかも色々分かり始めた。(因みにまだ空冷VW専門誌の存在とか知らない)

2004年の秋ごろだったか。遂に中古車買取相場情報誌で気になる物件に出会う。

 

1967年式 カルマンギア(コンバーチブル) 

 

春日井市のVW専門店から出ていたソレは、黄土色という名が似合うような不思議な色、EMPIの8スポークを履いて、トップは確かブラックのジャーマンクロス…。価格的にもまぁまぁだったし、何より愛知県内からの出品というのが、当時としては奇跡的だったのだ。
(今思い出しても悪いクルマじゃなかったと思う)※

 

気になる。気になって仕事が手につかない…訳ではないが、勤め先からわずか数kmの所にあのカルマンがある!!と考えると、やはり気になった。(因みに家からの距離だと40km近く)

 

クルマが大好きな同期に相談する。あのさぁ、実はさぁ、俺もクルマ欲しいんだけどさぁ、一緒に見に来てもらえないかなぁ、、、なんて。

 

軽〜く「いいよ」、の返事。おおぉ、「自分は、良き同期を持つことを、誇りに思います!!!!」(←心の声)

 

 

 

 

ある秋の休日。待ち合わせの瀬戸駅から、高蔵寺付近の華麗な紅葉に目を向ける暇も無くターボ車でぶっ飛ばし、目的地のShopに到着。

 

 

 

人生初の空冷VW専門店。人生初の旧車専門店。

 

 

 

うっひゃぁぁぁ。思ってた以上にみんなサビてるぅ!!

 

 

 

展示場と思われる場所には「普通に考えて」動きそうに無い、鉄のカタマリばかり。あぁ、あのクルマの窓枠のパーツ取れかかってますよ!!あのクルマのタイヤやばい事になってますよ!!大丈夫ですか!!

 

 

…自分の選んだ道の険しさに、足元が震えている。
古い=危険がいっぱい。何故世間一般で常識とされている事を忘れていたのか?

 

「唯一愛せるクルマが古かっただけっすよ。」

 

なんて言えれば立派なエンスーだが、19歳の少年が目にした現実はあまりに悲しい光景だった。専門店が板門店に思えた瞬間…。

 

 

街道沿いの一列だけは、比較的乗れそうな(←失礼)クルマが並んでいた。塗装も光っていたし、タイヤもしっかりついてた…。

 

ビートル数台、得体の知れないワーゲン2台、バス3台。

 

おや?カルマンが1台も無い。むしろあの黄土色のカルマン何処にも無いっすね。

 

 

情報誌で見た感じ、この中じゃ極上の1台だもんな。屋内展示か、整備工場の中にでもあるんだろ。見に行こうぜ!!

 

 

「黄土色のカルマン…あ〜コンバチのアレね。1ヶ月前に売れちゃったよ」

 

 

 

 

無駄な知識を得た。中古車情報誌、情報遅すぎてマジ使えない。

 

 

「いいクルマでしたよ〜入庫してすぐ売れちゃいましたけどねぇ」

 

 

自分の視線は明後日の方向を向いていた。
他にカルマンの在庫でもあれば話は別だが、率直に言って無駄骨だったか…。

 

 

気を取り戻すのにどのくらいの時間が経っただろうか。
せっかく訪れた専門店、実際ワーゲンってどうなのよ?という質問をこれでもか!!と投げつけた。走るん?壊れるん?寒いん?金かかるん?

 

 

 

 

「カルマンは狭いよ、でもオンナの子と乗るには最適、特に幌閉めたコンバチだと二人の顔の距離が云々…※」とレクチャーを受けてる時に、この店の整備長っぽいおじさんが出てきた。

 

なんか一癖ありそうだが、今思うと「生粋のワーゲン乗り」っぽいおじさん。赤ら顔で男前な、なんかアイリッシュ・パンクのVo.でも担当してそうなおじさん…。

 

 

「100万ありゃポルシェ置いてけるわ!!任しとけ!!」

 

「おぉ、あのクルマ見てごらん。こないだも耐久出てたんだぜ!!」

 

 

まだ1杯のギネスも口にしていないのに、ワーゲンの「走り」の話を色々教えてくれたVo.っぽいおじさん。

 

 

 

 

このShopには目的のカルマンは無かったが、無駄な知識を戴いた。

 

中古車情報誌はアテにならん!!という話と、ワーゲンはいぢると半端ネェ!!という貴重な情報を戴いた。

 

 

多分ここを通過していなかったら、この後アフォみたいにチューニング渦にハマる事も無かったのかも知れない。

 

 

「いや〜、ワーゲンって速いですねぇ(水野晴郎風に)」


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